市民科学研究室での
「地域発:がん対策市民協働プログラム」助成研究のすすめ方
2009年9月11日 研究代表 上田昌文
■市民科学研究室のプロジェクト
「がん予防クーポン」導入に向けた参加型ワークショップの実施
Ⅰ●「ゆりかごプロジェクト」は9月~12月(100万円)
本研究(2010年1月~2011年12月:800万円)に採用託されるためには、ゆりかごプロジェクトで本研究のための「研究ならびに協力体制づくり」「本研究での実施内容のサンプル的な試行とその評価」「広報面を含む活動紹介や協力要請のための媒体の確立」などが求められる。
Ⅱ●「ゆりかごプロジェクト」の目標
1)中学生と高校生を対象にした、がん予防対策の重要性を理解し実践を促すためのワークショップの試作版を開発する
2)東京都文京区内で試験的に実施するモデル校を選定して、交渉をすすめ、そのワークショップを実施し、評価する仕組みを作る
3)ワークショップの試験的実施に伴って、区内での啓発と協力の体制づくりのためのネットワークの構築に着手する
4)2)と3)のために専用ホームページを開設し、予備的なパンフレットも作成し配布する
以上を実施することで、地域意識の希薄な都市生活者からがん予防対策への積極的な参加を引き出すことのできるモデルケースを創り出す。
Ⅲ●具体的な活動内容
1)がん予防に関する基礎理解のとりまとめ
・がんに関する一般的な基礎情報と中高生に提供する内容の精選のための学習会10~15回有識者や専門家へのヒアリング3~5回
・地元文京区のがんに関する保健衛生政策の現状調査を1、2回
2)ワークショップの内容・実施細目・運営体制の考案と試作版の開発
・関連するゲーム手法や寸劇などの知見を検討するための会議を3回
3)地域の協力を求め、実施の体制を作るためのネットワーク作りに着手
・文京区の中学校と高校への参加の呼びかけ(直接交渉)をそれぞれ1校ずつ行う
・メディアの活用(『区報』への交渉(2回ほど訪問))
・専用ウェブサイトの開設1回
・パンフレット『考えてみませんか、中学生・高校生からはじめる がん対策』試作版を500部作成
し配布(文京区内の全中学高校関係者(関連する教員とPTA役員など)
・地元商店街や自治会など地域組織への協力の要請の開始(5箇所以上呼びかけ)
・患者団体や医療関係者にむけて協力の要請(5箇所以上呼びかけ)
4)文京区の中学および高校(それぞれ1校)でのワークショップの試験的実施
・試作版マニュアルの作成(上記パンフレットとあわせて来年度以降での呼びかけに活用)
5)"予防クーポン"の予備的な設計(地元の地域通貨の実践事例を参考に)
Ⅳ●実施体制
<チーム構成(◆は定期的に市民科学研究室で作業をする可能性のある人)>
Aチーム:がん予防に関する基本情報のとりまとめ
上田昌文+畠山華子◆+小林友依◆
Bチーム:ワークショップの設計(コンテンツや手法の開発)
上田昌文+毛利英人◆+日比野愛子+菱山玲子
Cチーム:体外交渉(主として学校との)
上田昌文+瀧口美千代+水木優香
Dチーム:広報、報告書や事務書類作成
上田昌文+中澤木聖(特にウェブサイトの管理)+貫井京子(事務局)
→以上のチームメンバー全員を登録した新しいメーリングリストを作る
<作業日・会合>
A:週1回程度の検討会(上田+もう一人)
B:週1回程度の検討会(上田+毛利)
+月1回の全体会(全員+場合によって他チームメンバー)
C:交渉をすすめつつ随時
D:情報がまとまり次第随時
<スタッフ手当>
9月~12月で全体で40万円を確保している
→時給で1500円程度;総計作業時間260時間程度
Ⅴ●「子どもとがん予防」の地域からのアプローチのポイント
(1)予防のポイントとなる3つの領域
①食事......栄養バランスのよい食事内容、適正な食習慣や食行動や食環境
②運動(体育)......身体を動かすこと、テレビゲームなどのとのつきあい方の適正化
③睡眠......夜更かしをしないこと、ストレスをためないこと
いずれにおいても
「現状チェック→改善策→継続」を"地域の力"を生かして効果的にすすめられるようにする
(2)"地域の力"を引き出す4つのつながり
①学校と地域のつながり
②子どもをとおした親のつながり
③保健衛生活動と地域活動(自治会、商店組合、防災、お祭りなど)とのつながり
④がんに関する専門的取り組みとその啓発・普及・支援・互助の活動とのつながり
Ⅵ●ワークショップのコンテンツを作るための手がかり
(1)「がんを知る」ことのポイント
・何ががんを招くのか(生活習慣病とは何か)を知る
→医学的知識、患者さんの体験談などから予防のポイントを整理する
・医療のしくみと利用の仕方を知る
→予防のためのふだんから活用できることは何かを整理する
(2)「自分を知る」ことのポイント
・さまざまな「自己健康チェック」メニューを整理する
・食事、運動、睡眠に関する個々人の行動データを上手に記録し収集する
・健康の自己管理や"健康法"的な取り組みに失敗したり継続できなかったりする理由を探る
(3)"ゲーム"という発想を拡張するためのポイント
・予防は"知識"ではない、活動である、という点
・毎日の自分の行動内容と直接リンクさせることが効果的
(例)食事:毎回の食事を写メールで残し、データベース化し、活用する
運動:Wiiのような身体を動かすゲームによって自分のからだを知る
学校の体育ではとりこまれていない「整体」「呼吸法」...などに立脚した"体トレ"
・ゲームの上での"仮想"と現実の"実践"をうまく接続させる方法を見つける
・個々人の対戦よりは、チーム・地域・グループによる"アイデアの出し合い"(より効果的で実践的な予防策を見出す......といった)で競う形にできないか
・生活習慣(とライフヒストリー?の)モデル化、それに応じた"がんポイント"の設定、参加者が擬する"プロフィール"の設定、行動選択とその評価が埋め込まれたゲームのストーリーの作成......といった、定型的なゲームを試験的に早く作成し、それをたたき台にして膨らませ方の可能性を検討する
Ⅶ●地域での運用、地域の協力の取り付けを成功させるためのいくつかの留意点
・ワークショップはその実施案の全体が完成してからではなく、個々の要素が一応できあがった段階で、すぐに子どもたちに試してもらうようにする。修正、次の要素の開発、またその試行......という短いサイクルの繰り返しで全体を作っていくのがよい。
・そのためには、中学生10人くらい、高校生10人くらいの協力メンバーを早く確定し、何度も試してもらう場や機会をあらかじめ設定しておく必要がある。
・そうした試験的な実施の機会にあわせて、父母、学校関係者、保険医療関係者、地域の商店主などに声がけし、見学してもらうようにするとよいだろう。
・がん専門家による講演会を提携する学校との共催で開き、地域の人々へのこのプロジェクトを広く知ってもらう機会にする。
・アートや自然体験や環境などの分野で、子どもを対象に活動しているNPOなどからも話を聞き、成功したワークショップの実例などを教わることも役に立つだろう。
Ⅷ●さしあたってのそれそれの研究チームの課題
★Aチーム:がん予防に関する基本情報のとりまとめ
(上田昌文+畠山華子+小林友依)
①食事、運動、睡眠の改善の(地域的)取り組みの現状を調べ、活用・参照すべき点を整理
②健康の自己管理、健康法に関する情報で、特に子どもとの関わりからみて重要なものを整理
③Ⅵの「がんを知る」「自分を知る」のポイントからみた、有用な具体的な情報を探し、整理
④文京区の公衆衛生担当の方にがん予防の取り組みの概要についてインタビューする
→上田は個別に畠山、小林と会い、担当する課題を決める
★Bチーム:ワークショップの設計(コンテンツや手法の開発)
(上田昌文+毛利英人+日比野愛子+菱山玲子)
①健康に関わるゲームにはどんなものがあるか、ないかの調査
②健康にかかりそうな「自己診断」サイトの収集と分析
③ウェブを用いた互助、支援方法の実例の収集と分析
④Ⅵの(3)に記したことを念頭に、ゲーム/ワークショップの素案を作る
→上田は至急に毛利、菱山と会い、担当する課題や今後の進め方を決める
★Cチーム:体外交渉(主として学校との)
(上田昌文+瀧口美千代+水木優香)
①手始めとして、瀧口が地元の高校に話を持ちかけ、上田と学校側との会合を実現させる
②水木をとおして、医療関係者で協力してもらえそうな人を見つけ、上田らが相談に行く
★Dチーム:広報、報告書や事務書類作成
(上田昌文+中澤木聖+貫井京子)
①このブログサイトを立ち上げ、トップページからリンクをはる
②動画や写真をアップする方法を把握しておく
以上