市民科学研究室「科学コミュニケーションツール研究会」が、科学技術融合財団の助成を受けて1年半ほどをかけて開発してきた、カードゲームがほぼ完成しました。その概要をまとめた文書を掲載しましので、ご覧下さい。

●「ネゴシエート・キラー」ゲームのルールガイド→negotiate-killer_guide.pdf

このゲームに関心を抱かれる方々に、実際に試していただきたいと思います。2012年1月~12月2月半ばにかけて、実演の機会を数回設けたいと思いますので、ゲームをしてみたいと思われる方はぜひお気軽にお声がけください。6人揃った時点で1グループを作るなどして、グループごとに日時を確定して、実施に持ち込みます。友人や知人、職場の仲間などに呼びかけて、グループで申し込んでいただくと、すぐさま、実施日を決めることができるかと思います。

科学コミュニケーションツール関連の書籍

研究会で参考にした、ゲーミング関連の書籍を紹介します。

『ゲーミングシミュレーション』
新井潔ほか(1998)日科技連出版社
『ゲーミング・シミュレーション作法』
キャシー・スタイン・グリーンブラッド(1989)共立出版

上の2冊は、ゲーミングなるものをどのように定義できるか、どのような分類になるか、どのような手続きで設計していったらよいのか、について、具体的な指針を与えてくれる内容。

『デジタルゲーム学習―シリアスゲーム導入・実践ガイド』
マーク プレンスキー(2009)東京電機大学出版局
デジタルゲームを取り上げ、それが教育場面にどのように活用できるか、たくさんの事例を紹介。なんとなくアメリカらしい一冊。

『ゲームデザイン脳』
桝田省治(2010)技術評論社
ゲームクリエイターの枡田さんの本。

科学コミュニケーションツール関連のサイト

科学コミュニケーションツール・ゲーム関連情報へのリンクをまとめています。

ASAG(日本シミュレーション&ゲーミング学会)
http://www.jasag.sakura.ne.jp/

シリアスゲームジャパン
日本のシリアスゲーム活動の情報が掲載
http://seriousgames.jp/

その中に掲載されている健康ゲームのリスト
http://www.gamesforhealth.org/archives/000211.html#more

ファイザーが製作した「生活習慣病ドラマサイレントキラー」
http://go-kenshin.jp/

「DEMOCS」
科学技術に関わる議論支援のゲーム・・・でもちょっと使いにくい?・・・という問題意識が当SCT研究会発足の背景になっています。
http://www.neweconomics.org/projects/democs
DEMOCS開発の背景や目的、利用体験報告など
http://www.neweconomics.org/gen/democs.aspx

ナノテクのDEMOCS
http://www.neweconomics.org/gen/democstopics_nanotechnology.aspx

「Keep Cool」(環境ゲーム)
http://en.wikipedia.org/wiki/Keep_Cool_(board_game)

「マイアース」
地球守護プレイヤーと環境破壊プレイヤーが地球の未来をかけて戦う、壮大なスケールのトレーディングカードゲーム。ゲームの仕組みは、マイアース用に設定されている。
http://myearth.ne.jp/index.html

「新型インフルカルテット」
新型インフルとその対策をテーマとしたゲーム。ゲームの仕組みとしては、トランプゲームの「カルテット」を採用。相手が持っていそうなカードを宣言して、当たっていたらそのカードを貰える。
http://www.jpha.or.jp/sub/menu05_2.html
http://newinfluenza.blog62.fc2.com/blog-entry-66.html

メンバーの江間がとりまとめた原案をPDFで掲載する。
これをもとに、次回までにゲームの試作品を作り、次回はそれを使って検討する。

生活習慣病改善ゲーム「ネゴシエート・キラー」(仮)ver.3

pdfは101006_negotiatekiller_ver3.pdf

メンバーの江間がとりまとめた原案をPDFで掲載する。

生活習慣病改善ゲーム「ネゴシエート・キラー」(仮)ver.2

pdfは100907_negotiatekiller_ver2.pdf

9月7日定例会 報告

議事録担当者:角田

(議題)ネゴシエート・キラー(仮称)について

・必要なもの・初期値・設定など

・Item1:イベントカード
  表:昇進ptと状況の説明文のみ
  裏:表の情報+血圧・コレステロール・血糖値のpt

・Item2:得点表

・Item3:キラー用説明カード(3名)
  ・目的について
   -どんな病気があるか
   -どの病気を選んでもよい
  ・それぞれの値の閾値
  -血圧:180
  -コレステロール:
  -血糖値:
  ・誰が先に閾値を越えるか

・Item4:人間用説明カード(2名)
  ・目的:昇進を(誰よりも早く)X.ptためること
  ・1回だけ「検診カード」が使える
  ・初期設定の説明
   -血圧:110
   -コレステロール:
   -血糖値:
  ・誰が早く昇進ptを貯めるか

・Item5:点数表、個人の閾値表、副教材(何歳時はXが平均値、のようなもの)


・ゲームの流れ

1. 役割カードをキラーにRandomに配る
2. キラー役にItem1とItem2 or 白紙を配る。
3. キラーAからのOfferを人間へ
(ア) 受け入れられたら人間に昇進Ptを、キラーに各自ポイントを通知し、加算する。
(イ) 両方に拒否されたら場に捨てる
4. キラーB、キラーCも同様
5. 人間は好きな時に検診ができる(昇進Ptを1消費する)
6. 人間の昇進pt、キラーの閾値を超えたら終了
7. 答え合わせ、反省会。

・ゲームのポイント
 ・状況設定を具体的に。
 ・状況の組み合わせによる得点の変化。
 ・人間・キラーのお互いの目標値を隠してゲームを行う。

・今後のスケジュール
 ・次回は10月6日(水)の午前を予定
 ・9月、10月で開発。
 ・11月で実験。

1085日 

                               文責:日比野

概要説明

このゲームは、生活習慣病をテーマにした対面型交渉ゲームです。プレイヤーの皆さんは、キラー(死神)役と人間役に分かれます。ゲームでは、「仕事と健康のジレンマ」状況が記されたカードを用いて、交渉が行われます。キラーにはどのポイントを貯めて人間の健康を奪えるかが、事前に決められています。不健康ポイントの種類は、「高血圧」、「コレステロール」、「血糖値」です。

キラーの目的は、不健康ポイントを集めて、他のキラーよりも早く人間を殺すこと、

人間の目的は、殺されないように気をつけながら、昇進ポイントを集めて、昇進すること、です。

 

所要人数・時間

2~4人(1人が人間役、残りの1人~3人がキラー役)

30分程度?

 

ジレンマ状況カードの例:(上:キラー用、下:人間用)


★最近、飲み会続きのあなた。

今日は、直属の上司から飲みに誘われました。誘いに応じますか?

昇進P

血圧

血糖

コレ


最近、飲み会続きのあなた。

今日は、直属の上司から飲みに誘われました。誘いに応じますか?

昇進P 1


ルール

    役割カードを配り、人間役、キラー役を定めます。キラー役は、それぞれどんな病気を担当しているかは秘密にしておきます。人間役には、「健診カルテ」が1枚渡されます。(使い方は後で説明)。

    キラー役のプレイヤーに、状況カードをそれぞれ@枚配ります。

    キラー役のプレイヤーは、一人ずつ、選んだ状況を読み上げ、人間役のプレイヤーに状況を受け入れるよう、アピールを行います。そのとき、相手を不快にさせなければ、どのような言葉や表現を使ってもかまいません。また、昇進ポイントや不健康ポイントの具体的な数字については黙っておかないといけません。

    人間役のプレイヤーは、キラーの誘いに対して、その状況を受け入れるか断るかを判断します。受け入れる場合、キラー用のカードはキラーの手元に、人間用のカードは人間の手元に渡され、それぞれポイントが加算されます。断る場合、その状況カードは、裏にして場に捨てられます。受け入れるか、断るかは、人間側の自由ですが、断る場合には、何かしらの理由を言いましょう。

    キラーが順に人間を誘惑して、ゲームが進みます。それぞれポイントが貯まっていきますが、キラーは割り当てられた病気の不健康ポイントしか貯まらないことに注意してください(脳梗塞なら、「血圧」ポイントしか貯まらない)。

    健診カルテは、人間役のプレーヤーがいつでも、使うことができます。ただし、一回きりです。キラーを一人指定します。指定されたキラーは、自分の担当する病気の名前と、その病気のポイントを「カルテ」に正直に記入して、人間役に返さないといけません。

    キラー役は、自分の担当する病気のポイントが、ある値を超えたら、勝ちとなります。一方、人間役は、昇進ポイントがある値を超えたら、勝ちとなります。

 

検討事項

ジレンマ状況のコンテンツと枚数

・各ポイントの数値の設定

Ø  血圧、血糖値、コレステロール値は、標準の値から出発して、ポイントが加算されることにより閾値を超えてしまうようにするとリアリティが出る。例えば血圧だと、140から出発、上昇幅は3~6180を超えるとアウト、など。

Ø  血糖値とコレステロールの閾値は??

Ø  数値自体は、ランダムに設定した方が面白い。たとえば、同じ状況でも、昇進ポイント、不健康ポイント、いずれも数値が異なる、など。

Ø  ただし、ある程度意味を持たせないと教育効果がない。

この基本ルールだと、人間役の戦略として、「各キラーの誘惑に公平にのる」ことによって、病気を抑えつつ昇進する、という戦略が容易に立てられてしまう。これをシステム上どう防ぐか

・キラー(不健康情報持ち)/人間(情報なし)の非対称性を導入するには、カードを2枚ずつ用意するというアイデアしか思い浮かばなかった。他に良い方法はあるか。

・健診カルテのルール設定。上案とは逆に、病気を指定して値を書かせる方法もあり。もしくは、キラー全員の情報開示が適当?

・フリーカードの用意。

「予防的行動の重要性」に関わる要素が入っていないので、入れたい。

Ø  例えば、「子供からジム通いを勧められました。一緒に通いたい。けど面倒くさい・・・」といった要素をどう含めるか。

Ø  1つの案としては、状況カードに混ぜ込み、効果の値をマイナスにする。昇進マイナス2、血圧マイナス2、など・・・。ただし問題は、ジム通いが昇進の妨げになるというメッセージになってしまうこと。

Ø  キラーはこのカードを選ばないよう説得する。

・これと関連するが、人間側が得るポイントの内容は「昇進ポイント」でよいのか。たとえば、「時間ポイント」を獲得することにしておいて、最後、昇進するかどうか(ゴールできるかどうか)は、時間ポイント×サイコロで決定するようにすると、応用可能性も広がる。たとえば、時間ポイント(1~20)×サイコロ(1~6)で、60以上なら昇進=ゴール、など。ただ、単純さを追求するなら、サイコロは入れない方が良いかも。

 

その他、議論で出ていたアイデア

・キラー対人間ではなく、悪魔対天使にして、人間はサイコロで動く。

・キラー複数対人間一人、ではなく、キラーも人間も複数。

・数値のリアリティを出すためその場で測る。

・人間側にも異なるゴールを設定する。グルメ人生、家庭人生、など。マッチングによっては、キラーが失敗する。


これまでの活動記録は

地域発:がん対策市民協働プログラム

のブログのページに収めています。

また、2009年12月20日(日)に実施した、
「元気見っけ!ラリー 半日で歩いて学ぶ、君の知らない予防医学」
のチラシのファイルは次のとおりです(pdfファイル)

チラシの表 →091220_rally_o.pdf

チラシの裏 →091220_rally_u.pdf