2008年6月アーカイブ

ナノテクリスク勉強会(2008年6月22日)

【今日のまとめ】
・ナノテク未来地図の進捗状況
テスト版をメンバーでチェックし、気がついたところなどを話し合った。凡例がないなど、まだ未完成な部分があるが、あと一ヶ月以内に最終的に完成すると期待される。メンバーが情報を更新できるようにプログラムが簡単な作りになっているか、追って確認する必要がある。今後の展開としては、JSTプロジェクトメンバーへの呼びかけにより初期の参加を盛り上げることや、他NGOや消費者団体への呼びかけ、広報の文章の作成などが必要である。

・米国出張報告(吉澤)
米国の元OTA関係者、大学・NGO・半官半民組織等でTA的な活動を行っている団体を訪問した。当勉強会との関係では、国際テクノロジーアセスメントセンター(ICTA)がナノテクとナノ物質についての原則をまとめて、各国NGOの署名を集めていた。市民研として、これに署名するかどうかは議論が必要として、他国あるいは日本の他のNGOと協力できることはないかと提案した。また、米国ではNSFからナノテク-社会についての研究助成が下りているので、欧州より教育的な色彩が強い。われわれのナノテク未来地図の一つの狙いでもあった科学者の巻き込み、啓蒙についてより精緻化されたアプローチを採っていることが印象的であった。そして、研究成果などの発表にあたってのジャーナリスト的スキルおよび視覚化のスキルの重要性。後者については、エドワード・R・タフティ(Edward R. Tutfe)の業績が複数のインタビュイーから評価されていた。これに関して、日本で科学と視覚化に携わっている専門家へのインタビューを行うことにした。

・COSTEPワークショップ参加報告(江間さん)
科学技術コミュニケーションデザイン・ワークショップに参加した所感を述べてもらった。阪大のグループはそもそも大学内でどのような研究活動が行われてきたかさえ、きちんとまとめられていなかったので、「調べられる力」を調べることから始めようとしていた。東北大学では高レベル放射性廃棄物をテーマに、賛成・反対という意見の対立する二名の専門家による対話の実践について発表された。問題としては、多数の専門家では「反対」でも意見が対立することがあるので賛成・反対一名ずつの参加にしたものの、一般の参加者はどちらかの応援のために来るといった傾向があった。そもそも賛成・反対という従来的な区分、従来的なテーマで新しい対話が生み出せるのかといった議論もある。若松さんのグループは手法コンサルタントとして民間企業と契約して小型家電を考える市民の会議を開催したが、アジェンダは企業に決められていたことが問題として挙げられる。ほかに東大の立花さんの脳科学と市民、東京海洋大の水圏環境リテラシーなどの発表があった。ワークショップへの企業の参加がないこと、NGOもごく限られており、事例についての議論であるはずが、理論的・概念的な話になっていきがちであった。

・ナノテクについての最近のニュース(白石さん)
カーボンナノチューブのマウス腹腔への注射による毒性実験であるが、通常ではありえないナノ物質の摂取であるにも関わらず、一部メディアではいい加減で煽動的な報道がなされた。ほかに、厚生労働省による労働環境に対する指針、ICONの発表、欧州のナノセーフによるナノ物質の爆発性・可燃性についての研究、OECD-NEDO-産総研のナノ粒子の飛散度を測る研究、FoE Europeの声明、ドイツのナノトラック、環境省によるナノ材料の環境影響についての研究会、厚労省労働基準局による製造現場における暴露についての研究会、医薬食品局によるいろいろな製品について消費者サイドでの暴露、といったニュースが紹介された。最近ではプラチナ粒子入りのヨーグルト、ナノ銀を蒸着させた抗菌布巾などがあるそうである。韓国では銀が重宝されているので、ナノ銀を用いた洗濯機や練りハミガキまであるらしい。

【スケジュール】
次回勉強会は7/20(日)10:30〜。

このアーカイブについて

このページには、2008年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年5月です。

次のアーカイブは2008年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。