[速報]  「科学ジャーナリスト賞2011」が決まりました!

2011年4月25日付で、日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ=武部俊一会長)から「科学ジャーナリスト賞2011」の決定について発表がありました。これは、優れた科学ジャーナリストの仕事を顕彰する制度で、2006年に発足したものです。

今回の受賞作品は次の3つです。

【科学ジャーナリスト大賞】

NHKスペシャル番組『封印された原爆報告書』
 日本放送協会(NHK)広島放送局チーフプロデューサー 春原雄策さん
 +同ディレクター 松木秀文さん
→受賞理由:原爆被災者に対して日本自らがおこなった医学的調査の報告書を、密かに米国に渡して核戦略に利用されていたという驚くべき事実を掘り起こし、スクープ・ドキュメンタリーとしてまとめあげた見事な作品。

【科学ジャーナリスト賞】(順不同)

『博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン2010)
 著者:榎木英介さん(病理診断医、 任意団体サイエンス・サポート・アソシエーション代表)  
→受賞理由:いわゆるポスドク問題、博士余剰の実態、原因、問題点などを多くのデータを示して浮き彫りにし、鋭く分析したうえ、これからどうすべきか著者なりの解決策も提言している。時宜にかなった好著。

『想像するちから--チンパンジーが教えてくれた人間の心』(岩波書店)
著者:松沢哲郎さん(京都大学霊長類研究所長、国際高等研究所学術参与) 
→受賞理由:30年におよぶチンパンジー研究の成果を「こころ」というキーワードに凝縮して分かりやすく解説した。科学者が自らの研究内容と「科学者のこころ」を伝える優れた啓蒙書の見本ともいうべきもの。

このうち、大賞を受賞した『封印された原爆報告書』は、番組最後のクレジットにも「協力」としてその名前が記されていますように、市民科学研究室・低線量被曝研究会のメンバーでもあられた故・笹本征男さんの業績をベースに、NHKのスタッフの方々と市民研同研究会のメンバーとの1年に及ぶ議論と検討の積み重ねが反映されています。関連する報告書もこの3月に出版したばかりですが、この度の受賞に至ったことを、研究会のメンバー一同、うれしく受け止め、故・笹本さんの霊前にも報告したいと思います。関連記事を以下に掲げます。

初期原爆調査を再検証  一部資料をアップしました
報告書『原爆調査の歴史を問い直す』を発刊しました

また、2つ目の受賞作品『博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?』の著者の榎木英介さんを、近くに迫った4月29日にお招きし、おおいに語り合う場を、市民科学研究室で提供することにいたしました。3.11後の科学コミュニケーションのあり方を考える、とても貴重な機会になるでしょう。ふるってご参加いただけることを願っています。

緊急ワークショップ「震災後の世界で何をするか~科学コミュニケーションの役割を問う」

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このページは、上田昌文が2011年4月25日 16:27に書いたブログ記事です。

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