2013年8月アーカイブ

以下に掲載するグラフは、厚生労働省ホームページで随時掲載され、農林水産省ホームページにも掲載されている、「食品中の放射性物質の検査結果」のデータを用いて作成さたものである。

厚生労働省の関連ページ もしくは厚生労働省の関連ページ 
農林水産省の関連ページ

これらのデータを用いて、農産物・畜産物のうちの40品目を対象に、セシウム濃度の推移や度数分布をグラフ化し、汚染濃度のパターンを読み取り、そこからどの品目について今後計測を継続すべきか、あるいは打ち切るべきか、といった計測の合理化に関わる知見をまとめてみた。

その考察は、以下の論文を第一報告とする3本の報告にまとまめられる。

報告「食品放射能汚染計測データ(2011-2012)を分析する(その1)」
全文PDFはこちらから→csijnewsletter019_201308_ueda.pdf


この報告で扱ったグラフの【凡例】を以下の1)~7)に示す。


1)期間:福島第一原子力発電所の事故直後の2011年3月から2013年3月まで

2)地域:岩手県、宮城県、福島県、茨城県、群馬県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の10都県、及びその10都県の全データを品目ごとに一つにした「全データ」


3)品目:主だった農産物・畜産物の40品目

 ・野菜......いちご、かぼちゃ、キャベツ、きゅうり、小松菜、トマト、ピーマン、ブロッコリー、
        ほうれん草、みょうが、ねぎ

 ・果物......梅、かき、キウイフルーツ、なし、ブルーベリー、みかん、ゆず、りんご、もも

 ・根菜・芋類......かぶ、ごぼう、さつまいも、じゃがいも、たまねぎ、ニンジン、レンコン

 ・山菜・きのこ......乾シイタケ、たけのこ、ふきのとう

 ・穀物類......栗、大豆、小麦、大麦、そば

 ・肉類・卵......牛肉、鶏肉、豚肉、鶏卵

 ・その他......くるみ、茶

4)対象とする放射性物質とその濃度:食品1kgあたりに含まれるセシウム134とセシウム137の合計のベクレル数

を、各品目について県毎にセシウム134とセシウム137の合計値がどのように時系列で推移しているかをみてとれるようにグラフ化した。

また、データの扱いについては、次の諸点をふまえている。

5)このグラフで言う「都道府県」とは「産地」を意味する。「報告自治体」や「検査主体」が「産地」の都道府県と異なっている場合があるが(例えば、産地である県が別の県の検査機関に検査を依頼した場合)、ここでは「産地」のみを対象としている。

6)大麦、茶、大豆については、次に示す類別を行なっている。

・大麦......押し麦、ハダカ麦を含んでいる
・茶......「生葉」「荒茶」「製茶」などと表記されたものを入れているが、
     飲料水扱いのペットボトルの緑茶などは入れていない
・大豆......枝豆や、加工食品の豆腐やきなこや納豆などは含まれていない

7)セシウム合計値をグラフ上では、2種類の区別して表記している。すなわち、

赤色(濃い色)の◆で記されている値
集計した厚労省の元データで実測値として示されている、その数字を示している。ただし、グラ
フ上でゼロとなっているものは、元データで検出限界値の記載がなく、「ND」「不検出」とだけ表
記されているものを示している。

赤色(薄い色)の■で記されている値
計測の結果が「不検出」となっている場合を意味する。ただし、グラフ上ではゼロとせずに、こ
の測定時の検出限界の値を示している(この値の前後にあるゆらぎの幅を持って収まることがほぼ確かであることを示している。※)
 
 ※この点に関する正確な理解のためには、例えば、次の文書を参照のこと。
   「検出限界」とは何か? -- 統計学的仮説検定超入門

<品目別・各県別 検出されたセシウム合計値の推移 2011年3月~2013年3月>

●野菜

いちご_2011-2012.pdf
いちご_ヒストグラムなど.pdf

かぼちゃ_2011-2012.pdf
かぼちゃ_ヒストグラムなど.pdf

キャベツ_2011-2012.pdf
キャベツ_ヒストグラムなど.pdf

きゅうり_2011-2012.pdf
きゅうり_ヒストグラムなど.pdf

小松菜_2011-2012.pdf
小松菜_ヒストグラムなど.pdf

トマト_2011-2012.pdf
トマト_ヒストグラムなど.pdf

ピーマン_2011-2012.pdf
ピーマン_ヒストグラムなど.pdf

ブロッコリー_2011-2012.pdf
ブロッコリー_ヒストグラムなど.pdf

ほうれんそう_2011-2012.pdf
ほうれんそう_ヒストグラムなど.pdf

みょうが_2011-2012.pdf
みょうが_ヒストグラムなど.pdf

ねぎ_2011-2012.pdf
ねぎ_ヒストグラムなど.pdf

●果物

梅_2011-2012.pdf
梅_ヒストグラムなど.pdf

かき_2011-2012.pdf
かき_ヒストグラムなど.pdf

キウイフルーツ2011-2012.pdf
キウイフルーツ_ヒストグラムなど.pdf

なし_2011-2012.pdf
なし_ヒストグラムなど.pdf

ブルーベリー_2011-2012.pdf
ブルーベリー_ヒストグラムなど.pdf

みかん_2011-2012.pdf
みかん_ヒストグラムなど.pdf

ゆず_2011-2012.pdf
ゆず_ヒストグラムなど.pdf

りんご_2011-2012.pdf
りんご_ヒストグラムなど.pdf

桃_2011-2012.pdf
桃_ヒストグラムなど.pdf

●根菜・芋類

かぶ_2011-2012.pdf
かぶ_ヒストグラムなど.pdf

ごぼう_2011-2012.pdf
ごぼう_ヒストグラムなど.pdf

さつまいも_2011-2012.pdf
さつまいも_ヒストグラムなど.pdf

じゃがいも_2011-2012.pdf
じゃがいも_ヒストグラムなど.pdf

たまねぎ_2011-2012.pdf
たまねぎ_ヒストグラムなど.pdf

にんじん_2011-2012.pdf
にんじん_ヒストグラムなど.pdf

れんこん_2011-2012.pdf
れんこん_ヒストグラムなど.pdf

●山菜・きのこ

乾しいたけ_2011-2012.pdf
乾しいたけ_ヒストグラムなど.pdf

たけのこ_2011-2012.pdf
たけのこ_ヒストグラムなど.pdf

ふきのとう_2011-2012.pdf
ふきのとう_ヒストグラムなど.pdf

●穀物類

栗_2011-2012.pdf
栗_ヒストグラムなど.pdf

そば_2011-2012.pdf
そば_ヒストグラムなど.pdf

大豆_2011-2012.pdf
大豆_ヒストグラムなど.pdf

小麦_2011-2012.pdf
小麦_ヒストグラムなど.pdf

大麦_2011-2012.pdf
大麦_ヒストグラムなど.pdf

●肉類・卵

牛肉_2011-2012.pdf
牛肉_ヒストグラムなど.pdf

鶏肉_2011-2012.pdf
鶏肉_ヒストグラムなど.pdf

豚肉_2011-2012.pdf
豚肉_ヒストグラムなど.pdf

鶏卵_2011-2012.pdf
鶏卵_ヒストグラムなど.pdf

●その他

くるみ_2011-2012.pdf
くるみ_ヒストグラムなど.pdf

茶_2011-2012.pdf
茶_ヒストグラムなど.pdf

去る8月3日(土)に文京区アカデミー向丘学習室にて、第52回市民科学講座『 「科学のひろば」に何が見えるのか? ~AAAS 年次総会に学ぶ~』が行われました。


講師のお一人である三輪さんのご協力により、当日の模様はネットワーキングチャット Twitter で生中継しました。
その模様は、以下にまとめてあります。

第52回市民科学講座 togetterまとめ→ http://togetter.com/li/543547


また、参加者の方がご自身のブログで報告をしてくださっていますので、紹介いたします。

http://nyannyan-dew.seesaa.net/article/371164434.html

去る2013年8月17日(土) ・2013年8月18日(日)に、東京しごとセンター地下2階 講堂にて、生命科学映画の製作会社アイカムが自主製作した、ドーム映像 『いのち探検 ミクロちゃんと行く宇宙の旅』の上映会が行われました。

お盆休みの終わりで帰省時期と重なったため、当初見込んでいた子どもたちの参加数が少なかったのは残念でしたが、こじんまりとした良いイベントになりました。

上映後にはアイカム代表の武田さんによるお話会があり、制作側からの貴重なお話を聞くことができました。(武田さんは、日本映画テレビ技術協会 第5回(2012年度)栄誉賞を受賞されました。おめでとうございます。)

以下に、8月17日(土)と8月18日(日)のそれぞれのお話会と質疑応答を掲載いたします。


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【8月17日(土)の回】

司会(上田/市民研):まず、武田さんから、ドーム映像を企画された経緯やこれからの構想をお話していただきます。

武田(アイカム):生きた細胞の顕微鏡撮影を50年以上やってきて、大型映像で見せたいと思って、10年以上前に、65mmの横走りのフィルムで撮影して、現像所で大きなスクリーンでみたら、これはすごいな! と思った。自分が細胞の中に包まれる感じがした。しかし、大きなお金がかかり、なかなか前進しなかった。
長く、短編の独立プロとして、企業PRや科学映画をやってきたが、専門の生命科学の映像を展示会などで見せていると、小さい子どもが惹き付けられて、離れない。科学というのは、生理、化学、物理と細かく分析するけど、本物の生きた細胞の映像は、いのちを直感的に実感させることができるのではないか。科学映画はとかく、倍率だの、インターバルの表記など煩わしいが、説明ではなく、見せる表現方法として、「時空キューブ」ということに思い至り、「呼吸」「消化」の映画を作り、そして「ドーム映像」という形に至った。
言葉も子ども向けに簡単にしたり、テロップで説明するより、中村桂子さんや団まりなさんにも見せたが「このままで見せたらいい」と言われた。中学生などに見せるとちゃんと受けとめてくれる。

1部は、私はこうして生まれた、2部では、いのちのシステムのはじまりを、3部では、ヒトは場の精神ともいう、それぞれの文化やさまざまな人種の違いで争うが、その違いを超えて・・・大腸菌もエサのあるところ、甘いところ、環境を選んで生きる心をもっている。いのちの情動の上に(ヒトの)精神があることを思えば、生物のあり方として、わかりあえるのではないか。

Aさん:すごかった。(細胞ってなんだかわかった?) いのち!
※ 脳のできるところ、「脳」と言われて、「脳だと思った!」脳の表面を流れる血流を見て「血?」 生体の花の手前、「真ん中はベロ」(心臓)・・・広がると「きれい! 」などなど・・・話していた。
※ 特製のぬり絵をプレゼントしたら「ミクロちゃんは女の子、男の子?」というので「どっちだと思う?」少し考えて「男の子」どうして?「声が男の子かな」

Bさん:Aさんがお父さんに「卵子」や「収縮」の意味を聞いていたが、子どもにはわからない言葉があると乗り越えにくい。"Powers of ten"のようにミクロからマクロへ、がおもしろい。東京シネマ「生命誕生」「マリンスノー」の完成度を越える映画はなかなかない。

司会:しかし、この映画をみて、大人の「わかる」と、子どもの「わかる」は違うような気がする。これは理科の知ってもらう、を目指すものとは違う。

Cさん:『呼吸』『消化』も見て来たが、時空キューブの表現法がドーム映像で生きている。

Dさん:私は電顕写真を撮ってきたが、この映画はほとんどが実写ですか?

川村(アイカム): 細胞は本物の生きた細胞だが、細胞内などは顕微鏡では見えないので、CGで描いている。CGのスタッフが社内にいて、日頃、生きた細胞を撮影する環境にいて、生きた細胞のイメージを持って作っている。

Dさん:そうなんですね。だから、CGってどうもいやらしいんだけど、これにはCGのいやらしさがない。映像の処理もうまい、素敵でした。ただちょっと目が回る。

Eさん:私は自分の意志で生きてる、と思っていたけど、傲慢だと気付いた。寝ている間も細胞が絶えず働いて生きている、一日一日を大切に生きたいと思った。武田さんの話で人種や文化を超えて分かり合えること、そういう、いのちの視点に立てば、できるのではないかと思います。感動しました。
※今日は来てよかった。面白かった。感動した、と繰り返してました。

Fさん:授業で細胞は勉強するけど、動いた細胞を見るのは初めてで、おもしろかった。

Gさん:細胞の数や、DNAの長さなど、わかりやすい表現だと思った。

Hさん:DNAからタンパク質が作られるところ、RNA、リボソーム、細かく描かれていて、実際の細胞内がイメージできた。

Iさん:平面的にしかみたことのないものを立体的に実感させてくれた。教科書のイラストだとどれも1個の細胞に2-3個のミトコンドリアしか描かれていないけど、本当はぎっしり詰まって動いているんですよね。
あと、私はドーム内で椅子に座ったけど、ちょっと腰が痛くなった。床に座るなり、寝転んでみたいものです。

Jさん:脳神経の細胞が、印象的でした。実際のもの?

武田(アイカム):もちろん生きた本物の細胞です。ただし、ラットやマウスから取り出して組織培養で微速度撮影している。よく見ると、細胞内を顆粒が動いたり、細胞壁を伸ばしたりしている。顕微鏡でじっとみていても細胞の動きは分からないけど、インターバルをかけた映像で始めて発見できる。
昔、細胞分裂を撮り始めた時、最初はどれが細胞分裂なのかわからなかった。撮影して、核膜が消えてから染色体が見えて来るのに気づき、細胞分裂が撮影できた。はじめにイメージをもって撮る。予見して、細胞のダイナミズムがキャッチできる。

司会:それはおもしろい。イメージがあって、見えて来るんだ。

Kさん:アイカムのことは数年前からよく聞いていて、見たいなと思っていたけど、今日初めて見ておもしろかった。研究所に勤めていた頃は、岩波映画に協力した事もあるけど、今は小学校高学年の理科を支援している。ことば、ナレーションがもう少し低学年にもアピールするものだといいかも。あと、1クラスが35人くらいなので、一緒に入れると使いやすいと思う。

※ 川村(アイカム):(ドームの収容人数や、ドームの大きさのことなど説明) プラネタリウムで大勢にもこの映像は見せられるし、実際に11月に千葉の科学館で上映の話もあるが、エアドームの大きさが、子ども達に体内に入り、細胞に包まれた実感を持つには最適ではないかと思う。

Jさん:イベントとしてどんな展開が考えられるか?
※ 商店街の大型商業施設のモールなどでのイベントなどの提案、学校での展開例、費用のことなど。

Jさん:細胞の中に筋肉のある細胞って、筋肉ってどういうこと?

武田(アイカム):心筋細胞の筋原繊維のこと。心筋細胞の中に、すだれのような縞模様が見える、それがぎゅっと収縮する。何年もやっているけど、この時、初めて撮影できたもの。
Jさん:そうですか、見損ねた。残念。
しかし、この映画は、生きているふしぎ、時間空間、またとないものを感じますね。
もうひとつ、核膜の孔から出て来るのはDNAですか?

川村(アイカム):タンパクができるところですか?m-RNAのつもりですけど。
核には実際、核膜孔という構造があるけど、新聞社の科学部の人に「核には孔があるんだ!」と言われてエッ。ある程度知っているようでも多くの人が、ミトコンドリアの形は教科書の草履形と思っていたり、生きている本物は細胞によって、糸様から球状まで形も多様で千個も入っている。

武田(アイカム):いろんな方に見てもらって、実は、一番難しいのは学校の理科の先生(会場、笑)。大人は理屈で教えたがるけど、子どもは直感的に面白いと受け取ってくれる。感動は忘れない。情動を大切にすることで、人もわかりあえるのではないか。

Iさん:土のこと、大地のことは農学者よりもお百姓さんの方がわかっているように、やはり、実際のものを見ている人の強みだと思う。
また、テロップの有無の話しがあったが、私は「耳の聞こえない人」versionもぜひ期待したい。

(以上)


【8月18日(日)の回】

司会(上田/市民研):まず、武田さんから、ドーム映像の企画のきっかけとねらい、めざすところをお話いただきたい。

武田(アイカム):45年間、細胞を撮影して来たが、みなさんにリアルないのちを見てもらいたい。ドーム映像で細胞に包まれるような体験をしていただこうと思っている。まずは大型映像をフィルムでめざしたのだが、現像所でみてこれはすごいと思ったものの、なにぶんにもお金がかかる。また、従来の科学映画は倍率やインターバルなどで説明的に見せるが、理解させるのではなく、直感的に細胞を感じてもらう映像をつくれないかなと思った。

Aさん姉妹:(わぁーと映像が広がって)すごかった。細胞の感じはわかった。おもしろかった。

吉野(アイカム):営業から制作を担当。こういう形でみなさんに見てもらう機会を増やしたい。体の中の世界、いのちの大切さを一人でも多くの人に感じてもらいたい。

中尾(アイカム):動物を麻酔して顕微鏡の下において撮影する。製薬メーカー、乳酸菌メーカー、文部科学省の仕事をしてきた事が活きている。細胞ってこうなんだと一般のみなさんに見てもらいたいと思ってきた。見てもらえて嬉しい。

長谷川(アイカム):かつて撮影をしていて、精子が入っていくところを撮ったが、生き物は1年の中で時期があるので、最初はインターバルが適切でないとNG、何カットも撮った中の一つ、何日もねばって撮った。

Bさん:科学マニアでもあるが、まずは映画マニアの感想として、「時空キューブ」という表現のアイデアがものすごくいい。時間や空間を伸び縮みさせるという構想を聞くだけですごいけど、それをドームで見せられて、小さいのがずんと大きくなって、その中に自分も吸い込まれて行くのを全身で体感して、ああやっぱりこのアイデアはすごいと思った。

Cさん:たしかに目はまわった。(笑) これは、もっと大きなプラネタリウムでも上映は可能なんでしょ。

川村(アイカム):このままプラネタリウムでも見られる。大阪堺や大宮でも100~200人の人に見せたことがあるが、科学館のプラネタリウム担当者は天文関係が多いせいか、反応が薄かった。でも11月には千葉でも上映の予定。ただ、プラネタリウムは映像との距離があり、体内のリアリティはこのエアドームの大きさで見せることでより実感できる。

武田(アイカム):一番嬉しかったのは、プラネタリウムと違って、エアドームでみせると、小中学生が声を上げる。手のできるところでは、自分の手をかざしてみている。
発生学者の団まりなさんが、いい歳の大人に「細胞って体のどこらにあるのか?」と聞かれて唖然としたと言っていたけど、アニメで細胞を煙草の箱を積み重ねたような表現ではなく、リアルなもので見せないといけない。プラネタリウムでは映像に包まれない、何か別ものだ。エアドームだと、子どもは入って行くときから大騒ぎで、エントランスをくぐるときからワクワクしている。

Cさん:動いている細胞が実物というのはわかるが、CGも使っているんでしょ。どこが?

武田(アイカム):ミトコンドリアなど電子顕微鏡でも撮れるが、もう一つ、分子の世界に入るとCGで作らなくてはならない。昨日も電顕を長くやっているという方が、私はCGはあまり好きでないが、これは見られる、と言ってくださったが、僕らのスタッフは、生の細胞の映像を見て、イメージして電顕を撮り、CGを作っているのが一番の強みではないかと思う。

司会:実写とCGが非常にスムーズにつながっていますよね。

Dさん:どうもありがとうございました。ドームの中で、しかも細胞が実際に動いているのを見て、本当にその中にいるんだと実感しました。今、体調が崩していることもあって、これまで1つ1つの細胞が自分自身を活かしてくれていたことに感謝の気持ちを覚えた。

Eさん:ありがとうございました。中学2年の息子を連れて来るつもりだったのに直前に他用が入って来られなかった。今日見た後に、来れば良かったのに、とものすごく残念です。学校で、箱を積み上げるような細胞の教え方、自分が習った4-50年前と今も同じような教え方をしていることに驚かされる。あれでは実につまらなかった。今日の映像を拝見して、おもしろかった。本当に自分が細胞でできている、と手に取るようにわかる。映画よりも、ドーム映像は伝える力が何倍もある。私がそこに張り付いて、自分が見ているのか、自分の中にあるのか・・・一体感がものすごい。もし若い頃にこれを見ていたら、「生物」は満点だったでしょう。(笑)

Fさん:今日は思ったより小さめのサイズで、包まれている感じがとてもよかった。寝転がってみたいな。今、私も体調が悪いので、細胞たちはどんなふうになっているのかなと思った。手の中の細胞って、どういうふうに撮影されるのか?CGじゃないですよね。

武田(アイカム):手の皮膚の表面は死んだ細胞ですから、あれは上皮細胞を組織培養して、培養した皮膚の細胞を見せている。やはり、手がいいなと思ったのは、科学技術館の展示造型物の仕事の時、子ども達に顕微鏡を覗かせて、見ていると実体顕微鏡がズームアップして自分の手が拡大されていって、それが生きている細胞の映像にかわるという表現をしたけど、見た子ども達が、自分の手をかざして不思議そうな顔をして出て来ることから。

司会:アイカムには限られた敷地面積の中で細胞培養の部屋や、撮影の部屋があって、ずっと育てている。そういう積み重ねでこういう映像ができている。

計屋(アイカム):入って3年ほどだが、研究部で細菌や細胞の培養をしている。それぞれの魅力ある特徴をみてもらいたいと思っている。ドームを見た人たちが顕微鏡を覗いてみたいと思える映像を作りたい。

山内(アイカム):今は企画営業だがもとは撮影部で、一つの細胞から始まって、それぞれの形をもつ違うはたらきの細胞になっていくおもしろさを伝えたい。外から入り込んだ細菌を食菌する細胞もいるし、一般の方にもみてもらいたいと最初はポストカードで(司会:今日みなさんにも差し上げましたが)作ったりしたけど、ようやくドーム映像でみてもらえるようになった。

学生さん3名:つい最近習った絨毛のところの入れ替わり・・・イラストの図解でなくて生々しいのが印象的でした。

Cさん:あそこは電顕写真とCGでしょ。

武田(アイカム):入れ替わりのところは電顕写真を基にしているが、その次のアポトーシスした細胞が絨毛の回りにたくさん見えているのは生きた実際の映像。実際、絨毛の周囲は死んだ細胞がいっぱいで、撮影の時に拭わないと絨毛が見えて来ないほどです。

学生さん3名:普段は光学顕微鏡と実体顕微鏡では見ているけど、今日は電子顕微鏡の映像でも見られたのがよかった。時空キューブの回転で、大きさの変化していくのはとてもわかりやすくおもしろかった。
授業では、図や文章だけで、今日はきれいな映像で見られて楽しかった。特にDNAからタンパク質合成のところがおもしろい。

Gさん:すばらしい映像、ありがとうございました。リアルな細胞が実際に動いているのが見られておもしろかった。感激しました。私もどうやって撮影するのかなと思ってみてましたが、技術力というか人類の叡智を感じた。全体としては、DNAが細胞を分裂させ、アポトーシスさせ、分化させ、それぞれリアリティがある。体の中で奇跡がくり返えされていると思いました。生命の大切さを改めて感じる機会をいただいた。

Hさん:今日はすばらしい映像、ありがとうございました。プラネタリアムで見るのかなと思って来たけど、実際に入ってみると、エアドームは楽しかった。ワクワクします。目は回ったけど、ブランコでも目の回る私だけど平気でした。映像の中で、赤ちゃんの手がアポトーシスでできる、増えることだけでなく、細胞が死ぬことでも形ができるとすごくよくわかり、きちんと伝えていた。絨毛のアポトーシスなどもよかった。どうやって撮影するのかなと思った。

司会:医学系の映像を専門に撮っている会社はアイカム以外に多くはないけど、子ども向けに作るということで、どんな取り組みをしているのか。

川村(アイカム):こういう仕事をめざす人たちはきっとみな一般の人、子ども向けに見せて行きたいと思うけど、なかなか食べて行くのは難しい。これまでアイカムが医薬関係の仕事して来た技術や表現、映像をこれから活かして行きたい。学校、プラネタリウム、PTA・・・体育館や中学校の道場など、授業か、イベントか、どういう形で見せて行けるのか、考えて行きたい。知恵を貸してほしい。

司会:ひとつの細胞から自分のからだが、組み立てられているんだと、自分の体を実感し、吸い込まれる。この映像のねらいとして、自分の存在、自分の生命を、改めて感じ直すということがあると思う。私は今まで4、5回みているけど、見ると必ず、自分の体の中がこうなっているというのを目の前に見せつけられて・・・連綿と続く生命の一つの集約がここにあって、奇跡的なメカニズムで動いていて、ということを感じると・・・自分であって自分でないような、他の人のいのちも、いのちを尊重しなくてはならないことを言葉でなく、同じものの奇跡の連なりであることを感じる。深く、生命のつながり、大切さを説教ではなく、感じさせてくれる映画だと思う。武田さん、そのへんの思いを。

武田(アイカム):人類が月に到達した1969年頃、私はもう仕事していたが、その前、1953年にはDNAの構造発見があり・・・いつでも細胞を見て、それを飯の種にして来たけど、人類が月から青い地球をみて、地球は一つだと言ったのと一緒に、いのちは一つだと思う。一つのいのちのはじまりから、階層的に進化してきて、それぞれが生きている。
第2部では、ビッグバンから始まって素粒子、原子から、今科学が解明しているといわれる、いのちの袋の誕生から、生命の進化を、動きと映像から感じてもらう。それが多種多様に進化して、僕らがいるんだなぁと。これまでみてきたさまざまな映像、細菌どうしの情報交換や、計屋(スタッフ)も小さな真菌と線虫の捕食関係を見ているが、そうした微生物の世界から、ヒトへの発生・進化を見せたい。今でも、宇宙とともに、いのちもどんどん変化している。その中で、人類・民族・文化の違いを乗り超えて、いのちは一つから生まれたんだよ、というテーマで作りたい。

司会:これから二作、三作と作られていくと思います。今日はみなさんありがとうございました。

(以上)

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9月2日(月)に市民科学研究室の代表の上田が以下の学習会で講師を務めます。

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寄贈資料(2013年度)

次の書籍などを寄贈していただきました。 心よりお礼申し上げます。


『小学校 家庭科部会報』平成26年2月14日発行(福島県小学校教育研究会・家庭科研究部会)を発行元の福島県小学校教育研究会様より

子どもと健康 No.98 養護教諭と「トリアージ」』2013年12月(労働教育センター)を発行元の労働教育センター様より

冊子『ヘルシー/うれしい 豆料理』(財団法人 日本豆類基金協会)を農・食・医同源センターの山下洵子様より

冊子『「豆」元気、きれい。・・・豆のチカラ、再・発・見。・・・』(財団法人 日本豆類基金協会)を農・食・医同源センターの山下洵子様より

21世紀の健康づくり 豆類百科』(財団法人 日本豆類基金協会)を農・食・医同源センターの山下洵子様より

死の灰のゆくえ ─放射能を追って30年』(新草出版)葛城幸雄・著を会員の権上かおる様より

原発避難計画の検証:このままでは、住民の安全は保障できない』(合同出版)上岡直見・著を著者の上岡直見様より

サイエンスアゴラ2013 開催報告書』を発行元の独立行政法人科学技術振興機構様より

科学技術コミュニケーション』第14号(CoStep)を北海道大学 高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門様より

『エネルギーはそこにある。木質ペレットの地産地消が、地方経済をまわす』三浦秀一/古川正司・著(木質ペレット推進協議会)を会員の小林一朗様より

食育フォーラム』2014.2(建学社)を会員の吉田賢一様より

『放射線を考える ~ぎんなん特別号~』三橋紀夫・著(東京大学教育学部附属中等教育学校発行)を阿部佐奈江様より(注:検討資料として)

『民学のたより 2013』(民学の会 発行)を代表の鵜飼清様より

母親たちの脱被曝革命 ~家族を守る22の方法~』お母さん革命ネットワーク(扶桑社)を子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク様より

ママレボ Mom's Revolusion』(2013 July Vol.005)をママレボ編集チーム編集責任者の和田秀子様より

DVD BOOK『細胞空間 L'univers de la cellule』(株式会社アイカム)を制作会社の株式会社アイカム様より

『放射性物質除去法解説シリーズ4 住宅除染データ集 ─過酸化水素水洗浄+除染水モミガラ浄化法─』(庄建技術株式会社)を会員の権上かおる様より

『放射性物質除去法解説シリーズ3 住宅除染の実際 ─過酸化水素水洗浄+除染水モミガラ浄化法─』(庄建技術株式会社)を会員の権上かおる様より

隠して核武装する日本』増補新版(影書房)を影書房編集部様より

『ビデオ通信』No.3712(ユニ通信社 発行)をユニ通信社様より

『リニア新幹線計画 川崎、町田説明会全記録』2013年8月(リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会議・編)を「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会議」様より

小出裕章×小林泰彦 ケンカ白熱教室!放射能はどこまで安全か?』小出裕章・小林泰彦/著(幻冬舎)を「環境とエネルギー・柏の会」の柳沢典子様、丁名塚浩子様より

福島第一原子力発電所事故の医療対応記録 医師たちの証言』谷川攻一/王子野麻代 編著(へるす出版)を日医総研様より

平成23年度 医療政策シンポジウム 災害医療と医師会』(日本医師会)を日医総研様より

日医総研ワーキングペーパーNo.290 原子力発電所災害による全国的な緊急被ばく医療対策に関する研究』(日医総研)を日医総研様より

日医総研ワーキングペーパーNo.280 福島県「県民健康管理調査」は国が主体の全国的な"健康支援"推進に転換を』(日医総研)を日医総研様より

日医総研ワーキングペーパーNo.257 福島県原子力災害に対する損害賠償と復旧・復興のあり方に関する研究』(日医総研)を日医総研様より

平成23年度 JMATに関する災害医療研修会』(日本医師会)を日医総研様より

『民学のたより 2012』(民学の会 発行)を代表の鵜飼清様より

『第8回技術講演会 低線量被曝を考える(講師:上田昌文)』の講演録DVDを主催の有限会社佐藤R&D 代表取締役 佐藤国仁様より

よくわかる環境ホルモンの話 ホルモン攪乱作用とからだのしくみ』北條祥子著(合同出版)を著者の北條祥子様より

化学物質過敏症から子どもを守る 子どもの健康をむしばむ化学物質の脅威』北條祥子著(芽ばえ社)を著者の北條祥子様より

シックハウス事典』社団法人 日本建築学会編(技報社出版)を早稲田大学応用脳科学研究所 北條祥子様より

日本を壊す 国土強靭化』上岡直見(緑風出版)を著者の上岡直見様より

Sciencs Window』夏号2013年7-9月(独立行政法人科学技術振興機構)を独立行政法人科学技術振興機構 理数学習支援センター サイエンスウィンドウ編集部様より

脱原発で住みたいまちをつくる宣言 首長篇』(影書房)を出版社の影書房様より

『「広島原爆体験者に対する不安軽減事業」相談担当者へのマニュアル』平成24年度厚生労働科学特別研究(「原爆体験者の健康不安への対策に関する研究」班)を湘南鎌倉総合病院の佐々木康人様より

萌芽的科学技術と市民 フードナノテクからの問い』立川雅司・三上直之 編著(日本経済評論社)を著者の立川雅司様より

復興は現場から動き出す』東京大学医科学研究所特任教授 上昌広 著(東洋経済新報社)を東京大学医科学研究所 坪倉正治様より

Youth-Acty!!』Vol.8(NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)発行)をNPO法人国際ボランティア学生協会 Youth-Acty!!編集部様より

毎日、地球にごめんなさい 暮らしのリポート1982~2007』中嶋佐和子 著(朱鳥社)を著者の中嶋佐和子様より

『高木仁三郎市民科学基金 市民科学 研究成果発表会』(認定NPO法人 高木仁三郎市民科学基金)を低線量被曝研究会会員の瀬川嘉之様より

セバスチャンおじさんから子どもたちへ ─放射線から いのちを守る─』セバスチャン・プフルークバイル著/エミ・シンチンガー訳(旬報社)を低線量被曝研究会会員の瀬川嘉之様より

『CFP フィリピンの貧しい人のための診療所 2012年度年間報告書』および『CFP(フィリピンの貧しい人のための診療所)通信 緊急乗っ取り号!』を特定非営利活動法人GFNP フィリピンの貧しい人のための診療所の冨田江里子様より

チェルノブイリ原発事故による環境への影響とその修復:20年の経験』チェルノブイリ・フォーラム専門家グループ「環境」の報告(日本学術会議 訳)を市民研会員の白井基夫様より

DVD BOOK『人と人の間に Humans』武田純一郎 監督(株式会社アイカム)を製作会社の株式会社アイカム様より

討論 野望と実践』竹内芳郎 編著(閏月社)を閏月社の徳宮峻様より

「便利」は人を不幸にする』佐倉統 著(新潮社)を著者の佐倉統様より

おそい・はやい・ひくい・たかい こども・きょういく・がっこうBOOK No.73 子どもたちと読める 農薬・添加物・電磁波 そして、放射能のこと』(ジャパンマシニスト社)を株式会社ジャパンマシニスト社様より

核の難民 ビキニ水爆実験「除染」後の現実』佐々木英基・著(NHK出版)をNHK出版 小湊雅彦様より

科学(別刷)』(2013年・4月号/岩波書店)を著者の東京理科大学助教授 梅澤雅和様より

『スカパー巨大アンテナに反対する住民の会ニュース』(2013年4月28日最終号)をスカパー巨大アンテナに反対する住民の会 代表の門川淑子様より

低線量放射線の脅威』ジェイ M・グールド/ベンジャミン A・ゴールドマン著、今井清一/今井良一訳(鳥影社)を鳥影社代表取締役 百瀬精一様より

放射線ってなあに?』(独立行政法人 科学技術振興機構)を独立行政法人 科学技術振興機構 理数学習支援センター 「サイエンスウインドウ」編集部 松本浄様より

調査報告書『海洋開発をめぐる諸相』(2013年3月)を国立国会図書館 調査及び立法考査局様より

調査報告書『海洋資源・エネルギーをめぐる科学技術政策』(2013年3月)を国立国会図書館 調査及び立法考査局様より


過去にいただいた寄贈資料はこちら

寄贈資料(2012年11月~2013年3月)
寄贈資料(2012年7月~10月)
寄贈資料(2012年4月~6月)
寄贈資料(2012年1月~3月)

2013年7月14日(土)に光ヶ丘区民センターで行われた、「子どもたちを放射能から守る ねりまネットワーク」が主催する学習会(練馬区教育委員会委託の「子ども安全学習講座」として実施)

「放射能」 子どもにどう伝える?
講師:上田昌文・市民科学研究室代表

の講演記録を、主催者の方々がまとめてくださいました。
ご了解を得て、以下にそれを掲載します。

講演記録「放射能 子どもにどう伝える」
PDFはこちらから→csijnewsletter_020_201308_ueda.pdf

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