講演&ワークショップ
ケータイ、スマホは子どもに必要か?
~依存症と電磁波健康リスクから考える~
講師&ファシリテーター:上田昌文(NPO法人市民科学研究室・代表)
9月27日(土)14:00~17:00
アカデミー茗台 7F 学習室A
(東京都文京区春日2丁目9番5号 電話番号:03-3817-8306
地下鉄丸の内線茗荷谷駅から徒歩8分)
参加費:500円/定員:60名
お申込み:
TEL: 03-5834-8328 / Email: renraku@shiminkagaku.org
Web申込みページ: 「こくちーず」
主催:NPO法人市民科学研究室「環境電磁界研究会」
チラシはこちらから→ad20140927_cellphone.pdf
【ワークショップに先立って】
今年の3月に公表されたある企業(デジタルアーツ社・東京都)の調査では、「女子高生のスマホや携帯の1日の平均使用時間は6.4時間だった。さらに6時間以上が4割を超え、うち12時間以上との回答も1割を超えた」とのデータがありました。容易に想像できるように、これほど長時間使用すれば、それだけでまともな学校生活や家庭生活はできなくなるでしょう。LINE漬けでスマホを握ったまま寝落ちする......そんな子ども確実に増えていることが、いろいろな報道から伺えます。
今年の4月の米国の報道では、「iPadなどのタブレットPCやスマホに熱中する3歳から4歳の子どもが急激に増加していて、なかには一日に数時間もタッチパネルを指で"掃く"操作を続けるといった中毒症状を呈している子どももいるが、そうした子どものうちには、積み木を積むという動作ができない子が現れている」「もう少し年長者では、情報をもっぱらPC画面で見ることになってしまったためか、紙とペンを使ったこれまでの試験のやり方についていけない子どもも出てきた」とのこと。
こうした状況の責任は大人にあります。教育効果を高める「アプリ」を使っての学校現場でのスマートフォンの導入・普及、セキュリティを謳った携帯と連動する連絡・監視システムの普及、そして遊び道具としての幼児期からの日用品化、携帯電話を含み込んでの環境中での無線利用の一方的拡大等々、高周波電磁波曝露の低減化とは逆行する諸条件を作り出してきたのはまさに大人です。
このような状況はもちろん日本だけに限りません。ところが日本と違って、フランスやベルギーをはじめとする欧州のいくつかの国、米国のいくつかの州、カナダなどが、子どもの携帯電話使用に関して独自の規制や勧告を打ち出すようになってきました。例えばベルギー政府は2013年2月に、「7歳以下を対象とする携帯電話の販売の禁止」「14歳以下を対象とした携帯電話の広告やテレビコマーシャルの禁止」を決めました。
携帯電話の使用を止めさせるのは大変難しいことです。周りの人たちのほぼ全員が使うようになってしまうと、持たない人がそれだけで大きな不便を被ることになるという、技術をめぐっての社会の変容が生じるからです。週に1日程度、意識的に携帯をOFFにして過ごすようすることはよいことだと思われますが、大多数の人にとってそれは可能でしょうか?電磁波の曝露を減らすための工夫もいろいろできますが、あなたはそれをご存知でしょうか? こうした自衛的手段に加えて、やはり何より大切なのは、社会全体で本気で子どもの将来を考え守っていく、という姿勢です。一般市民への圧倒的な利便性と事業者である企業への莫大な利益をもたらしている携帯電話という日常化した技術に対して、将来の子どもの健康を守るという予防的観点から、自制的な動きをどう啓発し、法的なレベルを含めてどう規制をかけることができるか、という公共的な課題が、私たちに突きつけられているのです。
このワークショップでは、前半に、子どもたちのケータイ、スマホの使用状況を種々のデータでふりかえり、電磁波健康リスクに関する最新の動向を講師からお伝えします。そして後半は、「では子どもを依存症から、そして電磁波曝露リスクから守るために、何がどうできるか」をグループ討論によって、探っていきます。
ふるってご参加ください。■